モンゴル人によると、羊の体で捨てる場所はないそうです。つまり頭から足から、内臓から肛門まで、すべてがおいしく食べれるモノだそうです。羊の頭は特にご馳走。試しに数人のモンゴル人に「羊の頭、好き?」と聞いてみると、その場にいた全員が「好き!」と答えました。
この羊の頭、ザハ(市場)にはもちろんスーパーにも普通に売っています。遠めにチラリと見るくらいですが、私が見たものはどれも全体的に黒っぽくなっていました。これは毛を焼いてなくしてしまうために、バーナーであぶってあるからだ、と聞いたことがあります。
さて、以前にスウェーデン人の女の子とルームシェアをしていたときのこと。
ある日彼女が、ずいぶん長い買い物からやっと帰って来たと思ったら、手にしていた買い物袋を机の上に置いたとき、
ゴッツン・・ と、ものすごく低く硬い音がしたんですね。
「何を買ってきたの?」と袋を覗いた瞬間、私は「
ヒィッ! 」と叫んで、思わず後ずさってしまいました。買い物袋の中にあったのは、なんと→→→
羊の頭 ↓↓
「こ、これを一体どうするつもりーーー!?」私はさらに叫びました。
「スープにするのよ♪」と、とてもうれしそうな彼女。
「ス、スープって、これをこのまま丸ごと煮るわけーー??!」と私。
「そうよ♪」
そして彼女は料理に取り掛かりました。まず、羊の頭をこのように鍋に入れます。
うおお。。。見るからにグロテスク。目が合うとドキドキしてしまいます。半開きになった口が、薄笑いを浮かべているようで、ますます不気味・・・。こ、これが今日の私たちの晩御飯、、でス・・か・・・
彼女はキャベツやらにんじんやらと一緒にこの頭を煮ました。。匂いも結構スゴイ・・・。一応、スープは飲みました。しかしこの頭をどう食べていいのか、スウェーデン人と日本人の女子が知るはずもなく・・・。やはり本場のモンゴル人に頼むしかありません。
夜遅く帰宅したモンゴル人の女子に、あのコレ・・・
といって本日のメインディッシュを見せてみると、彼女いわく、羊の頭は前に一度くらいしか食べたことなく、自分はそんなに好きではない、と。モンゴルも都会っ子は現代化しているのでしょうか。しかし、そこはモンゴル人、ひるむことなく包丁をたくみに使い、みごと頭を解体してくれました。
まあ、見ているだけで胸が悪くなりますが、マグロかシャケの解体ショーだと思えば耐えられますね。この頬のあたりの肉は、まま、おいしかったです。。。
そして、ついには、顎をこのように裂き開きました・・・。
この、口の中の上あごの肉(黒っぽく見える部分)がコリコリしておいしいと聞きました。実際には、まあおいしいと言えばおいしいですが、グロテスクさのほうが先立ってあまり印象に残っていないのが正直なところ。
とまあ、こんなあまり芳しくない体験談しかなかった羊の頭ですが、先日、外からの友人といっしょに
CITY NOMADS というモンゴル料理レストランに行ったとき、メニューにあったんです・・・“
Sheep Head ”と。
で、彼らが
是非これを注文したい!! というので、じゃあ数年ぶりに気を取り直して食べてみようかと・・・。
で、出てきたのがこちら。
羊の頭蓋骨を器に見立て、じゃがいもやにんじんと一緒に調理した肉がおしゃれに盛られています。切り刻んであるので、どこがどの部位だかよくわかりませんが、ときどき、あ、これはもしかして目玉?
というのがあって、まあさすがにそれは食べませんでしたが。
でもこの羊の頭、
とっってもおいしかったんです !!
これはモンゴルに来たら一度は是非食べていただきたい、絶対にオススメです。外国人向けに料理してあるから食べやすいのもあると思いますが、この羊の頭は本当においしいですよ!!お値段は12000tg=800円ちょい。
CITY NOMADSには他にもボーズやホーショール、焼きバンシなどのモンゴル料理があって、外国人向けにアレンジしてあるのでビギナーにも食べやすく、味も良かったです。普段は、せっかくレストランに来たんだから羊肉でないもの、モンゴル料理でないものを注文してしまいがちですが、やっぱり外からのお客様が来たら、おいしいモンゴル料理も体験してもらわないとね。
このCITY NOMADSは相撲会館、向って右手にあります。エンフタイワン道路からちょっと引っ込んでますが、看板が見えるはず。このNOMADS系列のレストランは、ウランバートル市内にもいくつか「MODERN NOMADS」や「bd's Mongolian Barbeque」などの名前で支店を展開しています。
モンゴルのご馳走、羊の頭、一度は是非トライしてみてくださいネ!!
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